CLT(クロス・ラミネイテッド・ティンバー)工法は、複数の層で互いに直角方向に積層された木材を接着または圧着して作られた大きなパネルや板を使用する建築手法です。この方法によって、木材の自然な強度を最大限に活用し、従来の木造建築よりも大規模で強靭な建造物を実現することができます。
CLTの特徴は以下の通りです:
- **強度と耐久性:**CLTはその構造上、非常に高い強度と剛性を持ち、大きな負荷に耐えることができます。これにより、中高層の建築物や、地震や風などの自然災害に対する耐性が要求される構造にも適用可能です。
- **環境に優しい:**木材は二酸化炭素を吸収して成長するため、CLTを使用することは建築物の炭素足跡を減らす効果があります。また、木材は再生可能資源であるため、持続可能な建築材料として注目されています。
- **施工の速さ:**CLTパネルは工場で予め製造され、現場に運ばれて組み立てられるため、建設期間を大幅に短縮することができます。これにより、建設コストの削減にもつながります。
- **多様性と柔軟性:**CLTはカットや加工が容易であり、さまざまなデザインや構造の要件に対応することができます。これにより、建築家やデザイナーはより創造的な建築物を設計することが可能になります。
- **防火性:**木材は燃える材料として知られていますが、CLTはその厚さにより一定時間、火災に対する耐性を持つことができます。炭化層が形成され、内部への火の進行を遅らせることが可能です。
CLT工法は、近年、持続可能な建築と都市開発を目指す動きの中で、世界中で注目を集めています。その環境性能と経済性、建築の自由度の高さから、住宅、オフィスビル、公共施設など、幅広い用途に利用されています。